ウエディングドレスの夢

私は典型的な夢見る乙女なところがあって、小さい時から密かにウエディングドレスに憧れ続けてきた

Jと出会って、ついに私の王子様が現れたんだって普通に思っていた

ウエディングドレスの自分とタキシードのJが腕を組んで歩く姿を想像し
その日が近々訪れることを信じて疑わなかった

しかしその日は訪れないまま
Jを突然失ってしまった

Jを失った私は、完全に人を愛することを忘れてしまった

忘れてしまったというか、あまりのショックで、そういう感情を自分の中から排除して生きるしかないと思うようになった
二度と死ぬような思いをしたくなかった

自分のすべてだったJを信じられなくなった以上、この世で信じられる人なんてもはや誰一人いなかった

そして、もう二度とJほど愛してると思う人に出会えないことをわかっていた

20年前の時点で私は「愛する人との結婚」を諦めざるを得なかった

愛する人と結ばれることが叶わない悲しい自分の人生を恨んだ

Jと全く会えなかった長い間も、私の中にはいつもJがいた
どれだけ自分の身に何があろうと、Jを愛しているという気持ちだけは、微塵も変わらなかった
ずっと「私が結婚したいのはJだけだ」って心の中で思っていた

でも、それはもう一生叶わないことなんだよって自分に一生懸命言い聞かせていた

Jを忘れようとしていたけど、ある時からJを好きでい続ける自分を許し認めることにした

Jの結婚を知っても、自分が結婚しても、私は「なぜ私はJと一緒にいないんだろう?なぜJと結婚していないの?おかしい」と普通に考えていた

Jと再々会して、やはり私の求める人は生涯Jただ一人だと確信した
将来必ず一緒になりたい思っている

一緒になれるのが何年後のことかはっきりしない
しかたない今は耐える時

ただ、時間は瞬く間に過ぎていく
そのうちにどんどん歳を重ね、加速度的にビジュアルが衰えていくのはわかっている
私は焦りを感じていた

一緒に暮らすようになったら、部屋に二人の写真を飾りたいと思っていて。。その写真の中にウエディングの写真がどうしてもあってほしいと思っていた

入籍日も式の日取りも何ひとつ決まってないのに、そんな写真を撮るなんていいのかなとも思ったけど…まさにドレスが似合う年齢のリミットが近づいていた。。

ある日思い切ってJに言ってみた

Jは少しだけ途中迷いがあったみたいに見えたけど、最終的には私の希望を叶えたいと言ってくれた

良さそうなフォトスタジオを都心から外れた場所に見つけ予約した
私たちは夫婦で、結婚当時写真がうまく撮れなくて、結婚20周年の記念に撮りなおすという設定だった
スタジオのスタッフの方は私を「おくさま」と呼んだ

そう、私本当はJの奥さんなの。。
私が一番に、Jと結婚の約束をしたんだもの

Jの前でウエディングドレスを着た
きれいだよって言ってくれた
Jも想像通りタキシードがとても似合って素敵だった

写真データをもらったので、自分で小さな写真集を作った

そこにJの言葉を刻んで
幸せいっぱいの一冊になった

24年間抱き続けつきた夢が1つ、叶った日
いよいよスタートというか、

少し逸れてただけで
来年は結婚20周年、そのちょっとした節目
どうしても◯歳になる前に写真を撮っておきたいという
Rの夢を叶えるの

2016年11月22日(150)
特別な日…結婚するっていう特別な日と
ずっと一緒にいる
ずっと心の中で付き合ってきたその日常が
二つ合わさった日

この日を、そんな風に言ってくれたJ、 ありがとう
大好きな東京駅で美味しい朝食、並木の紅葉…
とても大切な、一生忘れられない1日になったね

永遠に一つだよ、J

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