Jの匂いは25年前から全く変わっていない
私を引きつけて止まないとてもいい匂い
それは香水の香りでもなく、柔軟剤の香りでもない
Jの身体の匂い
くっついた瞬間にふうーんと匂ってくる
私の全身の細胞は喜び浮き立つ
Jが身につける下着のTシャツは、丸一日経つと例えようもない素敵な匂いになる
毎回、別の場所に帰らなきゃならない二人
私はJの匂いを持ち帰りたいと強く思う
だから、着ていたTシャツを無理にお願いして、持ち帰るときがある
その日の夜、TシャツはまだJの匂いがプンプンする
帰り道、寝る時間が密かに楽しみ…
必ずお布団に、持ち帰ったTシャツを持って入り、抱きしめて眠る
何度もJの匂いを深く吸い込んで、身体の中に入れる
つかの間の幸せを噛みしめる
Tシャツの匂いは時間とともになくなってしまう
こんなにもJが愛しくて愛しくてしかたがないのに
私が一緒に眠れるのはJではなく
JのTシャツなの
どうして
毎日Jの匂いのそばにいる人がいる
そう思うと、胸が張り裂けそうになる
だけど、Jの匂いが分かるのはこの世でただ一人私だけなの
Jに近づかないで
いつの日か、毎晩Jの匂いに包まれて眠りたい
Tシャツじゃなく、暖かいJの胸が欲しい