おばあちゃんが年老いて、長女の家の近くに移り住んだせいで、私の田舎は高校生から四国になった
大好きだったおばあちゃんは10年前に他界してしまったのだか、叔母を訪ね7年ぶりに四国入りした
四国は人が暖かく皆本当にのんびりしている
東京のど真ん中の忙しなさと比べたら、まるで異国のよう
時間の流れが時空が曲がったみたいにゆっくりで、よく言えば穏やかな優しい気分、悪く言えばポーッと気が抜けてしまうようなやる気なしの気分になる
空気は山の緑のせいで澄んで、風は心地よい春の植物の匂い
老若男女「〜おらんの?」「このごろ〜やわあ」とか、優しいイントネーション
こんなほんわかした方言を話している人の中に悪い人はいないような気がしてきてしまう
道ですれ違えば、知らない人にもご挨拶
叔母の古い家は懐かしいおばあちゃんがいた時代の匂い
観光スポットの市街地だけが不自然に新しく付け足されたみたいになっていたけど、叔母の家の周りは昔と何も変わらぬ雰囲気
小高くなった場所で裏山があり、その麓に小さな公園がある
坂を下りたところに川が流れていてちょっとした滝があり、バス停までの道に、急な石の階段を何百段か登る神社の入り口と引き戸を開けて入るローソンがある
大学生の頃、その神社の入り口の近くにある小さなポストにJ宛の手紙を一人で入れに行ったことがある
携帯なんてない時代、近くに公衆電話もなく、手紙を書いた
なんていい時代
市内観光に行き、商店街の何度か訪れている砥部焼の小さなお店に入った
そこで何か買いたくて、箸置きを2つ買った
砥部焼はシンプルで真面目な感じ
肌触りがつるんとして気持ちがいい
本当はコーヒーカップか湯呑みぐらい買いたかったのだか、結構お値段が張る
箸置きは、Jと暮らすようになった時、二人で使おうと思って買った
新聞の地域記事で、お遍路巡りをしにきたイギリス人の男女の友達同士が、道中にカップルとなり、何箇所目かの思い出深い札所のお寺で結婚式をした、というのがあった
「お遍路ラブ」とか書かれていたけど、なんだかいい話だなって思った
今までお遍路さんについてはよく知らなかった
調べてみると距離にして1400キロくらいあるらしく、歩き遍路だとすればかなり大変な修行だと知った
煩悩が消え、願いが叶う。。
是非やってみたい。。
しかし、所要日数約2ヶ月、費用約50万と聞くと、なかなか簡単に挑戦できるものじゃないんだなあと思った
Jとできたらいいなと思ったのだけれど 。。
Jと四国でのんびり暮らしたら、どんなだろうと想像してみた
良いのかどうかはよくわからなかった
ただ、内陸ではなく、瀬戸内の海に近い場所を想像すると、何だかいいな、って思った