Jに言われてハッとした
今日の雨の中のお散歩はたった10分だったんだ
愛しい最高の時間、二人は隔離された別世界にいる
切り取られて、浮かび上がるような世界
10分って1分が10個だけなの
時間の感覚がおかしい
10分
普段なら10分ってほとんど何にもできないに等しい
どれだけ時間を適当に過ごしているのかがわかる
刻一刻と過ぎ行く時間を、ちゃんと生きてるという実感がない
一度きりの人生を、無駄にせず丁寧に生きたいと願っているのに
Jがいないとそれが難しい
*
Jがいてくれたら。。。
自分が生きる時間のすべてに、Jがいてくれたら。。
その1秒1秒がどれだけ愛しく思えるだろう
きっと時間に意味を見出せる
きっと毎日に生き甲斐を見出せる
Jと、
大切な服を一枚一枚丁寧に畳むみたいな、そんな生活がしたい
細部に目が行き届いて、美しくシンプルで、何一つ粗雑でない暮らし
Jの優しい笑顔と暖かい大きな手がそばにあって
いつも私はJの両手に抱かれて守られてる。。。
今日の2時間くらいのデートを思い出しながら、そんなことを思い浮かべた
Jの、その笑顔がもっともっと溢れるように。。。
人生の残された時間を使いたいよ
J、
もっともっと私を触っていてほしい
私を、Jの思うように、Jがしたいように、めちゃくちゃになってもいいから、思う存分にJの気持ちの強さでどうにでもしてほしい
*
帰り道、この日本という国で、1億2600万人の中のたった二人が、こんなに強烈に惹かれ合っているんだ、って
そう思ったら感慨深かった
今、宇宙船に乗り、空から日本全体を見ると、おびただしい数の人間の点の中に、間違いなく二つの点が存在しているのがわかる
その二つの点は、今日も断腸の思いで別々の方向へ向かう
その引き裂かれて弱々しく光る二つの点を思うとたまらなく切なくなった
一箇所に集まって一つになった時、光は何倍もの強さになり瞬くのに
*
必ずまた一つの場所に二人は集まるんだ
何度も何度も集まって一つになって輝いて満たされるんだ
そうやって繰り返され、大切な時間を積み上げていく
積み上げて積み上げて
恐らく限界がやってきて。。
いつか、もう反対方向に歩くことが不可能になるだろう
今がもうギリギリなのだから、
近い未来に、毎日、本当の人生を生きられるようになるんだ
なるんだ
宇宙船から見える力強い光
それは点滅せずに一つのまま暖かく光り続ける
いつかあの最高の10分のような時間が続く毎日がくる
必ず、二人は、この地球上で、一つの光る点になるんだ
そう思ったら、少し前向きになれた