助け合いたい、お互いの苦しみが癒されるまで

お揃いの熊鈴を乗鞍で買ったんだった

J

思い出したよ

私が不安定になったら

Jも不安定になる

そしてそうなると

いつも

お互いに苦しめ合ってるね

って

Jは言う

私は、苦しめ合ってるねって言い放ってはいけないと思っている

その前に歩み寄って助け合わないとと思う

私たちがお互いに一番大切に思う人だとしたら…

助け合いたい、お互いの苦しみが癒されるまで

それがたとえ一生かかることであっても…

苦しいから、遠ざける

苦しいから、目を背ける

それでは今までと同じことを繰り返すことになる

苦しめ合ってるね、

そう言われて私が思うことは、

私は、やっぱりJを苦しめてるんだ

私の存在が、間違いなくJを苦しめてるんだ

私は、Jを永遠に苦しめ続ける人なんだ

ということ

そんな人に愛され続けて

見つけ出されて

Jは不幸なのかもしれない

ということ

私は

死なない限り

Jを追い続け

Jの前から姿を消さない

私が何をしてもJの苦しみを癒すことができないのならば

私が現れなければJは幸せだったのかもしれない

ということ

現れなかったら、は、もはやないのだけど、

私はJを愛しすぎて、Jを不幸にしてしまったのかもしれない

私が行動しなければ、J自らが私を探し出すことはなかったのだから、すべては私のせいなのかもしれない

ごめんね、J

苦しみばかりをもたらして

何をすればいいのかな

J

どうすれば

どう生きたらいいのかわからないの

生きづらくて生きづらくて

楽になりたい

泣きたい

泣いても何にもならないけど

思う存分に泣いて

Jに抱えてもらってベッドに運んでほしい

それで3日間くらい眠り続けたい

誰も私たちを助けてくれないよ

誰も見方じゃないんだ

私はただの不道徳な頭おかしい女

Jにしつこく迫る煩わしい女

狂っている!彼女は狂っている!

って、今日のお芝居のポリーナみたいに言われるんだ

誰に?

きっと奥さんに

私は狂ってるかもしれない

もう、おかしいもの

精神状態

入院したいな

それか

どこかでどうにかなりたいや

盆踊りを踊っていて、曲の合間に、誰一人として知り合いがいないことに気づいた

私は得体の知れない孤独なおばさんなんだ

浴衣を着て盆踊りを踊る子供の頃の印象深い写真が一枚ある

その私は笑っていない

困ったようなひとりぼっちの表情でカメラを見ている

今日の私はきっと同じ顔だった

華やかなピンクの提灯も、楽しそうにはしゃぐ人たちも、悲しく遠く思えた

盆踊りが好きだから、気持ちを誤魔化したくて、今日も一人出かけた

いつも踊りに集中しているはずなのに、今日は昼間観たお芝居に強い影響を受けたせいで、変な感覚だった

踊ってる時、今死んじゃったらどうかなって考えていた

帰り道は真っ暗で誰もいなくて、ものすごい淋しい道だった

そこでもここで死んじゃったらどうかなって考えていた

たった10分ぐらいの道のりだったが、とても心細く怖かった

でも走る気にもならずとぼとぼと歩いていた

Jがこの道を知ったら、私を絶対に一人で歩かせないだろうって思った

けれど、

Jはそんなこと知る由もなかった

心配しようにも、私の姿は見えていないのだった

もし、その道で誰かに刺されても、何か怖い目にあっても、誰も助けてくれないのが、現実だと思った

Jは寝てしまった

スマホを消して私の存在を閉じて…

寝てしまった

乗鞍からもう2日経ってしまった

楽しいことはあっという間に過ぎ去り、苦しいことは幾重にも重なっていつまでも過ぎ去らない

そういうものなんだろう

乗鞍の頂上でこっそり石を拾った

Jと私で日付と何かを書くんだ、って思ってポケットに入れて下山した

雷鳥の模様の熊鈴を一緒にリュックに付けて、百名山に登るんだ

J

二人で山に登ることは、きっと私たちに大切な何かをもたらすと思う

きっとね

こんな風に前向きに話を結べばきっと、何かしらいいことあるかもね

無理矢理でも笑えっていうのと同じで

悲しい時こそ笑え、っていうのだけは、いつも言われるたびに、そんなことできるもんかって反論しているけれど

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする