『東京ラブストーリー』の7回目の再放送を録画していたので、一気に観た
ただ、録画がうまくできていなくて、5話と6話が抜けていた
リアルタイムで観て以来一度も観ていなかったから、まさに27年ぶりに観たことになる
多くの同世代と同じように、このドラマは私の中に強烈な印象を残していて、まさに特別な位置づけにある
自分の青春時代とぴたりと重なっている
観ている間ずっと、Jとの5年間が平行して思い出されていた
テレフォンカード、公衆電話のボックス、夜中の長電話、喫茶店、待ち合わせの時間、大学のキャンパス、派手な装飾のダイニングバー、しゃれたイタリアンのお店、チノパンにマウンテンパーカー、タバコ、ジャックダニエル、ジグソーパズル・・・
カンチ
私はカンチが好きだった
このドラマで織田裕二のファンになった
今回改めて観て思った
カンチはJにそっくりなのだ
しゃべり方や、考え方や、判断の仕方や、しぐさや、いろんなことが酷似している
容姿は口元が少し似ているくらいだが、だんだん最後のほうはカンチがJに見えてきた
リカとさとみという間逆のような性格の女性それぞれに対して、カンチがどのように接するかを見ていると、Jもこんな感じだろうと思えた
私がリカで、さとみが奥さん
いや、さとみが私で、リカが奥さんかもしれない
きっと清楚でおとなしい雰囲気なのに、すぐに家に転がり込むようなリカみたいな積極的な面もあるんだろう
そういう私も、絶対に奥さんと性格も容姿も全く違うだろうが、リカとさとみを混ぜたような性格ではあると思う
さとみのように深刻で暗くまじめでもあるし、リカのように天真爛漫で騒がしい面もある
決してお金持ちのお嬢様ではないが、家が厳しかったという面では長崎さんかもしれない
長崎さんのように、すべてを放り出しJのところに行ってもよかったんだ
長崎さんがうらやましかった
こんなことになるなら、あんなことになるなら、私は行動を起こしていただろう
そんなこと今更言っても、私は負けたんだ
その結果、こんな酷い状態に陥ることになった
Jは私の性格のどこが好きでどこが嫌いなんだろうと思った
たぶんJはどちらかというと「さとみ派」だろう
清楚で品があり、読めないようなとんでもない行動はしない
家庭的で優しく穏やかで女の子らしい
私は清楚でもないし品があるわけでもない
強情だし本当に扱いにくい人間だし・・・
さとみのあまりよくない部分しか似ていないかもって思った
ジグソーパズルの場面では、とても胸が痛くなった
Jの一人暮らしの家にもジグソーパズルがあり、カンチの家のような雰囲気だった
あの家は。。私との思い出が沢山詰まっていたのに、一瞬にして、私にとって最悪の場所になってしまったんだ
私の大切な思い出を全部返してくれと思う
勝手に、ずかずかと二人の世界に土足で入り込んだんだ
それを許したJを私は許せなかった
今は違う
今はJはそのことを後悔しているはずだから、もうそのことでJを責めたりしない
リカがカンチの家に押しかけた時や、さとみがカンチと電話をしているときにリカが何度もかけて話中だった時や、リカがカンチの腕を無理に自分のほうへやって腕枕させてる時や・・・そういう場面が全部自分の辛い体験と重なってしまい、はっきりいって観ているのが中盤からしんどかった
私がJと付き合ったのはこのドラマの翌年だから、本当に様々なことがJとのことに重なり合った
世の中の雰囲気も克明に思い出したし、そんな世の中で恋愛する登場人物全員の気持ちも私にはとてもよく理解できた
「カンチ!」とリカがカンチを呼ぶ声が、なんといってもずーっと忘れられなかった
私の中でこのドラマの題名は「東京ラブストーリー」ではなくずっと「カンチ」だった
私もリカのように、全部全部気持ちをJにぶつけたいなって思った
自分に素直に生きたい
Jはカンチのように、受け止められない、Rの人生背負えない・・・ってなってしまうんだろうか
そこは似ていてほしくないな
全部受け止めるよって、言ってくれたこともあった
Jが今も変わっていなければいいな
私がリカだったら、あんなふうに清々しく颯爽とカンチと別れることはできないだろうな・・・
カンチは本当にJに似ている
20代のJも、今のJも彷彿とさせるのだった