少し前に何かで聴いて衝撃を受け、すぐさまYouTubeで検索して何度か聴いていたが、今朝ついに音源をダウンロードし、無限ループ再生しながら会社に行った
いつからか、もうわからないけれど、心身に力がなくなり、希望が持てなくなり…ただただ悲しさや寂しさが一定の強さで一本の細い線のように永遠に続いているような気がして…
なんだか周りの景色がぼんやりとしか見えず、気づけば遠い目になってしまう
かろうじて朝起き、今日も1日、無になってやり過ごそうと思っていたところに喝が入った
今の私の心にこの歌は響いた
そうなんだ
自分は間違ってない
でもぜんぜんうまくいかないんだ
でも、生きろとみんな言う
それでも頑張って生きていけと
そうだ
私の中には強い意志があり
獣のように自分の感覚を研ぎ澄まし
命を削って生きていくという決意があるはずだった
生きてるのに死んでるような生き方なんてしたくない
気づけば前を鋭く睨みつけて歩いていた
下向いてとぼとぼとしか歩けないなんて悔しいじゃないか
◆
歌詞をしっかり読んだ
そして誰かが書いてくれた丁寧な解説を読んだ
昔からこういう感情むき出しの歌が好き
今、自分は間違いなく素直な感情で生きてる
真の自分に向き合えば向き合うほど、身体の中に強く燃えるような感情が渦巻く
◆
『獣ゆく細道』
この世は無常 皆んな分かつてゐるのさ
誰もが移ろふ さう絶え間ない流れに
ただ右往左往してゐる
いつも通り お決まりの道に潜むでゐるあきのよる
着脹れして生き乍ら死んぢやゐあないかとふと訝る
飼馴らしてゐるやうで飼殺してゐるんぢやあないか
自分自身の才能を あたまとからだ、丸で食い違ふ
人間たる前の単に率直な感度を頼つてゐたいと思ふ
さう本性は獣 丸腰の命をいま野放しに突走らうぜ
行く先はこと切れる場所 大自然としていざ行かう
そつと立ち入るはじめての道に震へてふゆを覚える
紛れたくて足並揃へて安心してゐた昨日に恥ぢ入る
気遣つてゐるやうで気遣わせてゐるんぢやあ 厭だ
自己犠牲の振りして 御為倒しか、とんだかまとゝ
謙遜する前の単に率直な態度を誇つてゐたいと思ふ
さう正体は獣 悴むだ命でこそ成遂げた結果が全て
孤独とは言ひ換へりやあ自由 黙つて遠くへ行かう
本物か贋物かなんて無意味 能書きはまう結構です
幸か不幸かさへも勝敗さへも当人だけに意味が有る
無けなしの命がひとつ だうせなら使ひ果たさうぜ
かなしみが覆ひ被さらうと抱きかゝへて行くまでさ
借りものゝ命がひとつ 厚かましく使ひ込むで返せ
さあ貪れ笑ひ飛ばすのさ誰も通れぬ程狭き道をゆけ
◆
《解説文》※書いてくださった方ありがとうございます
この世にあるものは常に形が変わるものです
これは皆んな理解しています
人は移ろい 誰一人として変わらないことはありません
そして絶え間のない世の中の流れに
右往左往しているのです
いつものお決まりのパターンですが
着ぶくれし肥えて生きているように見えて
実は中身は死に体なんじゃないかと気がかりなんです
飼いならしてあげているように見えて
実は飼い殺しにしているんじゃないかと思うんです
自分自身の頭と体は
別々の感覚を持っているかの如く食い違うものです
人間の頭で考えるよりも前に
体の感覚を信じたいと思うのです
そうです 本性はまさに獣と言うべきものです
命をさらけ出して突っ走って行きましょうぞ
行く先は命が絶える場所 大自然へといざ行かん
知らない道にそっと立ち入れば
冬のような冷たさを覚える
安泰にあぐらをかいて 人と足並みをそろえて
生きていくことに安心していた昨日までの自分を恥じる
こちらが気遣っているように見せかけて
実は相手に気遣わせているようでは 嫌だと思う
自分が犠牲になっているようにみせかけたり
見た目はいかにも相手のためであるかのように偽って
実際のところは自分の利益をもくろんだり
誰もが知っていることなのに知らないふりをしてみたり
そんなのは 嫌だと思う
謙遜する態度の前に率直な態度をとるほうを誇りに思う
そうです 正体は獣なんです
思うようにならない命を削って成し遂げたことが全て
孤独というのも捉え方によっては自由とも言える
黙って遠くへ向かってみる
本物か偽物かなんてことを考えるのは無意味なことです
能書きは要らないんです
幸せか不幸か 勝ち負けも
本人だけに意味があるのです
すなわち はたからどう見えようと
本人が良ければそれで良いのです
ほとんど有るか無いような命
どうせなら使い果たして 全うしようぞ
かなしみが覆いかぶさってきたとしても
それを抱いて最期まで行くまでさ
この命は神様からの借り物
厚かましいくらいに使い込んで返すがよい
さあ命を貪れ そして笑い飛ばすがよい
誰も通れないほどの狭い道を進んでゆけ
◆
駅に着き、イヤホンを外したら、一気に力が抜けてしまった
結局少し強くなれたと錯覚しただけだった
一瞬芸だったみたいだ
またすぐに光が見えなくなり、私はどんな風に生きていけばいいのかと思った
雨が降っていたけど、折りたたみ傘を広げる気力がなかった
早足で歩くこともできなかった
上着を会社に忘れ、ワンピース一枚しか着ていなくて水滴がどんどん沁みてくる
そのまま雨に打たれながら歩いていたけど、もはや悲しさや虚しさを実感する元気もなくて、平坦な気持ちで無感情に近い状態だった
もう寝たい
すぐに布団をかぶって無意識の世界に行きたい
「悲しみが覆い被さろうとも抱きかかえていく」
私ね、もう悲しみを抱きかかえきれないんだ
抱きかかえてなんて生きたくないよ
本当は誰かに「悲しみにさよなら」を歌ってほしい
優しく何かに包まれたいよ
私だって幸せになりたい
悲しみにさよならして、単純に幸せになりたい
なんでこんなに耐えてばかりの毎日
あと何年間耐えなきゃならないの
なんでこんなに闘ってばかりの毎日
どこまでぼろぼろになれば救われるの
穏やかな気持ちで暮らしたいよ