奇跡的な距離〜MTの時間

健康診断が終わった

クリニックがあるビルの地下一階のカフェで腹ごしらえ

Jの連絡を待っている

Jと再会して2年半経った頃、私はアルバイトとして今の会社に入った

Jはそのころ東京本社で働いていたのだが、何気なしに入社した会社の場所がJの勤め先から5分の場所だった

特にJの会社付近をピンポイントで探していたわけではなかったので、ちゃんと二つの会社の位置関係を確認した時にはものすごく驚いた

今の会社はアルバイトでも役員面接まであってなかなか選考が厳しい

年齢的にも入れたのはラッキーだったとしか言いようがない

たまたまにしては余りにびっくりなことで、「やっぱりJと縁があるってことだわ」なんて都合よく考えていた

2年ほど前にJは部署異動し、自宅近くのほうへ転勤になってしまったのだが、たまに東京本社に出張でやってくる

私の会社は、Jの異動が決まった数ヶ月後にJの会社の本社から20分ほど離れた場所に移転した

まるでJがいなくなったなら、少し離れてもいいだろうって誰かが判断したみたいだった

Jはもともと自宅近くの勤務だったが、私と再会する前年の10月に、東京勤務になったのだった

私との再会のため…と思わざるを得ない

勤務地のこと以外にもいろいろな偶然が重なり合い、私たちは再び出会えた

Jに出会えたことを心から感謝しようと思う

久し振りに再会の時のいろいろなことを思い出した

Jが東京勤務で、徒歩5分の距離で働いていた時は、会えない日は生殺しみたいだったけど、頑張って帰りに時間を合わせて何度もデートしたね

昼休みにJの働くビルの下のカフェに行って、一瞬だけ姿を確認しあったり、私が半分残したサンドイッチを無言で手渡したりしたね

ドキドキして楽しかったな。。

今も、うちの会社の健康診断の指定クリニックは、Jの会社の本社があるビルの中

そして今日はJがなんと東京本社にきている

私たちの距離は徒歩3分ぐらいになっている

◇◇

今年最期の盆踊り練習が今日だったため休めず、45分間のデートだった

表参道を、Jの楽しいエピソードを聞きながら、ゆっくり手を繋いで歩いた

表参道は、20年以上前、イルミネーションを見ながらデートした思い出の場所

クリスマス近く、うきうきの気分でおしゃれして、仲良く人混みの中を歩き、写真を撮ったね…

そんな表参道を通り過ぎた後、代々木公園のベンチでTKTDしお互いの匂いを吸い込んだ

何故Jはこんなにいい匂いなんだろう。。

一生嗅いでたいな

代々木公園も昔たくさん抱き合った大切な場所

私たちはすっかり歳をとったけれど、あの頃と何も変わっていない

私は、相変わらずJのお膝に乗り、Jの首に抱きつく

Jは、相変わらず、Rいい匂いだよと言う…

そう、

二人の世界はずっと変わらずに、ここにある

帰りの電車の13分間、ずっとJの手を握り、Jの横顔を見つめていた

Jが先に降りてしまうまで、何度も何度もトントンの合図をした

「素敵な45分だったね、もう少ししたかったね」「うん、したかったね」「同じ気持ちだね、だからR、大丈夫だよ、安心して」

とJが小さな声で言ってくれた

多分私の週末の苦しみを読んでわかってくれた上での、Jの精一杯の優しさだったのだと思う

Jは慎重に、誰のことも悪く言わずに、私が自分にとって特別であることだけを言いたかったのだ、と思った

それで十分じゃないか。。と今日は思えた

向こう側のことは向こう側のこと

私の側のJを、私は見つめ信じるだけだ

Jの言葉を素直に信じ、大丈夫、と思っていられたらいいと思った

二人の思いが同じなら、それを叶えるために、当たり前に、二人が行動を起こす

決して、Jも私も夢物語の話をしているわけじゃないのだから…

Jが降りてしまった後、メッセージがきて、MTが大切だね、という話をした

「MTがなによりも大切」

MTを少しでもしなかったらだめなんだよね、ということを確認した

いちばんおざなりにしてはいけないのがMT

これから生きて行く中で、出来る限りたくさんMTしたい

それが私たちの人生だよね

J

MTをずっと…

そう望むのに…

そんなに休日が忙しいの

私が存在しない休日ばかりでいいの

MTのために全く時間が取れないほどの忙しさなの

二人のためにJの休日はどうしても確保できないの

今だけかな

それとも来年も、再来年も、ずっとかな…

いつまでだろう

最近はそのことから目を反らせなくて…気付くと考えて落ち込んでしまう

でも今日はやめよう

せっかくJと素敵な時間を共有できたのだから

ありがとうね、J

素敵な時間

もう、今会いたいよ

MTが足りない

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