薄くなるJの匂いを抱いてる

帰り離れる時、Jは首に巻いていたマフラーを外し、私に手渡した

一度も洗ってないの、エマールして

と言ったけど

私が喜ぶと思って咄嗟に思いついたのだと思う

ずっと手に持ったまま電車に乗り、たまに匂いをかいだ

途中座れて、俯いて涙が出てきて、また匂いを嗅いだ

今マフラーを抱いたまま、布団に入りこれを書いている

刻一刻とJの匂いが薄れていく

まだ少しする、でももう少しだけ…

首筋に当たる部分をさがしてる

でももうわからなくなりそう

手渡されてすぐは、とてもいい匂いだったのに

Jはこれを渡すから、次会う日まで頑張って、と言いたかったのかな

私はJの抜け殻を抱いて、とりあえず次の休日を耐え抜けばいいのだろうか

お風呂に入って、湯船に浸かると悲しみが増す

力が抜けて、もう空っぽみたいな感じになる

身体も心もぷかーって浮いてるの

何も、今、ここに、確固たるものがなくて

J

私、もうすぐこの状況に耐えきれなくなる、たぶん

Jがさっきまでしていたマフラー

3時間くらい前までしてたマフラー

抱いてるよ

抱いて泣いてるの

愛しいよ、J

私を早く抱きしめてよ

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