会社から1時間40分かけて実家近くの歯医者に行った
仕事が立て込んでいて、ギリギリまであがれず、1分1秒争うスピードで退社打刻をし会社を飛び出したら、雨がざあざあ降っていた
傘を取りに帰る時間はない
駅までバタバタ走って、乗り換え案内で調べたら、完全に遅刻
最寄駅に着いたら、さらに雨が強くなっていた
駅から5分くらいなのに、シャワー浴びたみたいにびしょ濡れになってしまった
黒いダウンは黒光りして、これこそが烏の濡れ羽色だわと思った
はたまた、カーキベースのレオパード柄のスカートを履いてたから、濡れてカビちゃったヒョウか…
雨に濡れることは、昔からあまり気にしない私
風邪も引かないし、濡れたって着替えて拭けばいい、と思うたちだ
なのに今日は、悲しい気持ちになった
私が傘を持っていなくても、誰も、傘を届けてなんてくれない
風邪ひいちゃうよって、心配してくれる人もいない
大丈夫?傘買った方がいいよ、って言ってくれる人もいない
豪雨情報が発令されスマホの画面に表示される
Jは私が傘を持ってないことを、俺のせいだと、自分を責める
Jのせいじゃない
私は、そんな風にJが思うことを望んでない…
頭を洗ったみたいに地肌まで濡れている
さすがに惨めだ
若いなら、セクシーかもしれない
この歳でびしょ濡れって、目も当てられない
笑うしかない
駅からの道はもう走らない
足がもつれ派手に転んでは、笑い事にもならない
久しぶりの雨を楽しもう
雪にならないかな
夜しんしんと降り積もる雪が好き
雪、見たいな