花の咲いた季節に
舟を漕げば
時の流れは
いま 夢の都
青い鳥の翼を
信じている
心のなかに
いま 夢の都
夢 夢
夢 夢の都
はじめてみつけたあの虹
どこへ架けるのか 知りたくて
少年たちは 駈けてゆく
どこまでも どこまでも あどけない瞳で
いつかめざめた朝に
見える風景は
きみが生まれた
夢 夢の都
夢 夢
夢 夢の都
「夢の都」
30年前、私はこの歌を聴き、ぼんやりと妄想していた。湖か沼を木製のボートが静かに進む様子。いつも決まって同じ映像が浮かぶ。
風はなく、モヤがかかっており、その手漕ぎボートの後ろには水の筋がすーっとできている。たぶん春か秋の朝。たまに小鳥の声が聞こえる。乗っているのは玉置くんのような男性一人。それを私は見ている。
この歌を先日iPhoneに入れたのでまた聴く。30年経ったのだ。あれから。
未来は全く予想できなかった。あの頃は呑気だった。夢見心地だったんだ。
私は間違いなく、擦り切れそうなほど繰り返し聴いてきた安全地帯の歌で、思春期の大部分を過ごした。だから私の恋のイメージはいつまで経っても、松井五郎さんの歌詞だったのだ。
もういい加減に目を覚ますことだ。
それか一生夢見続けるか。