憂鬱な雨の1日

母の病院に付き添うために会社を休んだので、その足でかかりつけの皮膚科に行った。

皮膚科は前に住んでいた場所にあり、各駅停車に乗っていれば30分かからずに着く。

平日の午後、寒々しい雨模様だからか、ほとんど待たなくて済んだ。

1ヶ月ほど前、蕁麻疹が史上最高にひどく何週間も引かなかったことを報告し、健診結果で貧血だったことも言う。貧血の人はコロナになった時に心臓に負担がかかって心不全になりやすいんだと先生が説明してくれた。珍しく3ヶ月後に一度きて、と次回来院を指定された。

さすがに雨が強く降ってきたので駅前で傘を買った。全く気に入らないデザインだったけど1,089円だったから妥協した。

住んでいた時によく食べたお団子やさんに寄り、お団子5本とスイートポテトを買った。しばらく行っていなかったので、なんとなくよそよそしい雰囲気に思えた。よく行っている時も特別に覚えられているわけじゃなかったが、毎日通る道にあったから親しみがあった。

盆踊りと皮膚科で何とか繋がっているが、私はこの小さな下町が好きだった。自分がすっかりよそ者になったような気分になり寂しくなった。

雨でびちゃびちゃのまま足早に下り電車に乗り込む。また電車は、私の嫌いな駅に停車する。相変わらずさびれた暗い駅で、目に入った瞬間に一気に記憶が蘇る。なくなればいい、って酷いことを思った。心で呟いたのだ。

私はこんなことに囚われて生きていきたくない。その駅の存在を、何とも思わなくなる日はくるのだろうか。

天気と同じように憂鬱な暗い休日になってしまった。全体的に。

病院という場所自体が、心身の力を奪う場所だし。仕方ない。

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